家の新築で間取りを決めるとき、「広いリビング」とか「子供がのびのびと育つ家」など曖昧なイメージを設計士と具体化していく作業には、大変な時間と根気が必要になる。それがたった3分で済むとなれば革命的だ。施主の希望も直接反映され、工務店も具体的な提案をもとに作業が進められる。しかも無料となれば、いいことずくめだ。

今年3月に創業したばかりの「まどりLABO」は、施主と工務店の双方が「家づくりをもっと楽に・もっとスムーズに・もっとわがままに楽しむ」ことができるよう、AIによる間取りの自動生成サービスの提供を開始した。土地の形を入力し、間取りに関する要望を伝えると、数分で間取りが作られる。最大18パターンの間取りを作らせて、そこから選ぶことも可能だ。気に入った間取りがあれば、それを提携したハウスメーカーや工務店に送って相見積もりを取らせることもできる。昨年9月からベータ版を運用していたが、相見積もりの機能はこの正式リリースで初めて搭載された。

このサービスが誕生したきっかけは、まどりLABOの代表、野口雄人氏が兄の家を設計したことだった。東京大学で建築を学び、コクヨで建築設計の業務に就いていた野口氏は、兄の話を聞いて形にしていく難しさを痛感した。20回におよぶ打ち合わせでもまとまらなかったある日、兄が間取りを書いてきた。それをもとにしたところ、話がスムーズに進んで理想の家が完成したということだ。これにより、施主が間取りを作ることの重要性に気づき、このサービスの開発を思い立ったということだ。
専門家まかせでは話が長くなる。施主も自分の要望がポンと形になれば、さらに考えをまとめやすくなるというものだ。「まどりLABO」はこちらで試すことができる。提携する建築会社からの紹介料で運営されているため、サービスの利用は無料。