DXやAIを駆使した合理的なビジネスモデルを導入し、創業わずか3年9カ月で上場。完全成功報酬制や高いマッチング力などを強みに日々シェアを拡大しているのがM&A総合研究所(以下、M&A総研)だ。今回は、会計提携部門に焦点を当てる。直接営業型とは異なり、税理士法人や会計事務所とパートナーシップを結び、顧客にとって安心感のあるM&A仲介サービスの提供を実現するチームだ。
M&A総合研究所 提携本部 会計提携部 副部長 伊藤千晃(以下、伊藤)と提携本部 会計提携第一部/海外事業部 副部長 小堀裕史(以下、小堀)のふたりのキーマンに話を聞いた。
顧客の信頼する会計士と共に事業承継に向き合う
「事業承継という重要な課題に対して、長期間かけて誠実に問題解決まで向き合えるところがM&A総研の最大の魅力だと感じました」(伊藤)
前職は銀行員だった伊藤。中堅中小企業のビジネスマッチング、リテール業務を担当していたが、親族の会社が親族内事業承継に失敗して廃業する事例を目の当たりにする。それからほどなくして同行でM&Aを手がけていた先輩の話から、M&Aを利用すれば、もっと良い結末になったのではないかと気づいたという。
「第三者承継という選択肢を考えるべきだったのです。もちろん銀行でもM&Aを手がける部門はありましたが、その分野のスペシャリストではないのでかけられる時間が限られてしまう。そこでじっくり腰を据えて誠実に顧客に向き合えるM&A総研の手法に大きな魅力を感じ、転職を決意しました」

一方、小堀は大手保険会社にて、中小企業のオーナーを中心に個人・法人営業に従事し、担当先の業界課題に日々向き合っていた。
「さまざまな業界に携わりたいという思いで保険会社に入社したのですが、実際には『報告の為の報告』といったような社内向けの事務作業に多くの時間を割いていました。そこで、より社会貢献性が高い、またチャレンジングな職場を探すようになりました。そうしたなか、M&A業界に興味を持ち、事業承継という大きな課題を解決する、高度な仕事だと知りました。なかでも M&A 総研は、DX、AI によって業務を効率化し、アドバイザーが顧客に多くの時間を費やせるところが魅力でした」

ふたりとも入社後はクライアントと直接取引する部門を経て、2年前にM&A総研の新たな取り組みとなる会計提携部に転属した。会計事務所や税理士法人との提携をし、そのクライアントにM&Aが必要になったときに紹介を受け、三者で理想のM&Aを実行するというものだ。
したがって会計提携部は、税理士法人や会計事務所と提携をする活動も行う。
「会計提携部は、税理士の先生方からお客様をご紹介いただくことも多いので、紹介した先生の期待に応えるために、業務はやや複雑になります。一方で、ご紹介いただいた場合は成約する確率が高いという側面もあります」(伊藤)
真摯に企業の魅力を深掘りし、収益に結びつける方策を考える
伊藤が実際に支援する企業の中には廃業寸前の小規模企業もあるという。しかし、真剣に向き合う気持ちは変わらないという。
「例えば同業他社の仲介によって譲渡先を探していた企業で、5年間経ってもお相手が見つからなかったケースがありました。当時の財務状況は非常に厳しい状況でした。
しかし、話を聞いてみると、潜在的価値が非常に高いにもかかわらず、それがうまく収益化できてないことがわかり、企業価値向上への可能性を見出すことができたのです。
その価値をしっかりとまとめて買い手候補企業に提案することで、2社の候補が挙がり、成約につなげることができました。譲渡オーナーも承継問題が解決され、安心して仕事に打ち込めるようになり、とても幸せな生活になったそうです。今でも感謝の手紙が毎年届くくらい順調で、大きなやりがいを感じている一件です」
M&Aで企業価値を正当に提示することで、成約できる確率も上がります。どのように利益を生み出すか、どのような潜在的価値があるのか。譲渡企業に寄り添い、経営的目線で企業価値を見つめ直せば再建できる企業はもっと多くあるはずだ。
業務拡大というシナジーのために、M&Aで大手の傘下入りを実現
小堀はM&Aが成立すればそこで終了、事後の付き合いはないと以前は思っていたが、あるM&A支援を通してその認識は大きく変わったという。
「私が担当したのは地方のIT企業でした。今はどこにいてもエンジニアの仕事は可能です。しかし実際は、東京の大きな仕事はなかなか受託できません。職場環境を整えることができても、仕事を獲得する機会に恵まれない、そうしたジレンマに陥っている若手経営者から相談を受けたのです。彼が解決策として考えたのが、M&Aで大手上場企業の傘下に入るというものでした。上場企業側もM&Aでエンジニアの数を増やすのは定石です。わずか半年で成約することができました」
その後しばらくして、小堀はその経営者に会食に誘われた。そして、その席で「受託する仕事が大きく変わり、人材もたくさん採用できるようになった」と感謝の言葉をもらえたのだという。
「もともと譲渡しなければ立ち行かない会社ではありませんでした。それでも事業拡大へ向けたシナジー効果を求めてM&Aを選択し、それが見事に成功したのです。そして、こうして酒の席でさらなる未来に向けて話ができたことが何よりも嬉しかったのです」
会計提携部という仕事の魅力と将来性
「会計提携部の場合、会計事務所との関係を築くことができれば、M&Aニーズをもつ顧問先のお客様をご紹介いただけるようになるので、中長期的には、よりM&A業務そのものにリソースを注ぎ込めるようになると言えます」と伊藤は言う。しかし、会計事務所との連携は、同業他社でも行われていることではある。M&A総研にはどのようなアドバンテージがあるのだろうか。
「徹底したDX、AI活用、着手金・中間金無料の完全成功報酬制、さらに言えば効率化を徹底しているため、幅広い案件を引き受けられるという強みがあります。現在開拓中ですが、手応えはあります」(小堀)
ではどのような人材が、会計提携部に向いているのだろうか。
「会計士・税理士の先生との日々のコミュニケーションが大切になります。相手の考えをきちんと理解し、各人に合わせたアプローチが必要です。弊社でできるサポート内容をご提案すれば、真剣に話を聞いていただける先生は多いですね」(小堀)
共に顧客のM&Aニーズを考えるパートナーとしてM&A総研が寄り添う。それがいかにメリットになるかを伝えていることが大切だというのだ。
「東証プライム上場も果たしている M&A 総研はブランド力も高いので、話を聞いてもらいやすいということもありますが、会計士・税理士の先生、クライアントの要望をそれぞれ把握し、適切なコミュニケーションがとれる人が、この仕事に向いていると思います」(伊藤)
システム的にも料金体系的にもベストという自信
最後に2人の将来展望を聞いてみた。
「M&Aを検討するならば、システム的にも料金体系的にも弊社を選択することがベストだと自負しています。それさえしっかり説明できれば、会計士・税理士の先生方にもきっと喜んでいただけるはずなので、もっと積極的に浸透させていきたいですね」(伊藤)
「会計提携部の歴史はまだまだ浅く、今後もネットワークの拡大が必要なフェーズです。全国の会計士・税理士の先生方と中長期で良好な関係を構築できるようこれからも取り組んでいきたいと思っています。出来ること、やれることはまだまだ沢山ありますので、やりがいがあります」(小堀)
伊藤千晃(いとう・ちあき)◎同志社大学卒業後、地方銀行へ入行。中堅・中小企業へのファイナンス、ビジネスマッチング業務、リテール業務を担当。親族が経営する会社の事業承継に失敗した経験から、M&A業界への転身を決意し、M&A総合研究所に参画。
小堀裕史(こぼり・ひろし)◎慶應義塾大学を卒業後、三井住友海上火災保険に入社。個人・法人営業に従事し、業界課題に向けたソリューションの提供を行う。事業承継・成長戦略の解決策となるM&Aに強く惹かれ、M&A総合研究所に入社。