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2025.05.30 11:00

全世界ベースでの適材適所の実現を 三井物産が目指すこれからの人材戦略

2025年4月より、三井物産 人事総務第一部長に就任した渡辺徹。今、採用希望者に伝えたいメッセージとは?
三井物産の強みと時代に合わせ柔軟な対応が必要となる「人材戦略」について語る。


——ずばりお聞きします。渡辺さんから見て、三井物産の強みはどこにあると思いますか?

渡辺:やはり人材に強みがあると思います。その源泉には、私たちのValuesである「『挑戦と創造』を支える価値観」があると考えています。その価値観とは、「変革を行動で」「多様性を力に」「個から成長を」「真摯に誠実に」の4つです。

三井物産では、Mission・Vision・Values(MVV)の発信に力を入れており、自分たちの業務にMVVがどういう意味をもつのか、改めて会話する機会も設けています。MVVが行動規範として社内に浸透し、日々の業務のなかで実践されている場面もよく目にするようになりました。若手社員たちが多様な意見に真摯に耳を傾けている姿はもちろん、我々世代のベテランもMVVを踏まえて活発に議論を交わしているので、初めて目にする方は驚かれるかもしれません。

三井物産としてMVVを新たに設けたのは2004年ごろ。それまでの三井物産の歩みから、一度原点に立ち返る意味も込めて見直しを図りました。当初は半ば形式的に受け入れられていた取り組みも、20年近い継続を経て、組織文化として定着した感があります。言葉にし続けることで言霊のように実践に繋がっていくところは、三井物産ならではかもしれません。

——人材戦略において、近年感じられる課題とその対策について、教えていただけますか。

渡辺:多様な人材が活躍できるよう、さらにダイバーシティを推進していくことかと思います。日本の総合商社は、他業界と比較して、日本国内の職場ではダイバーシティ推進にさらなる深化の余地があります。 多様化するお客様のニーズや社会課題に応えていくには、国籍やジェンダー、年齢等、さまざまなバックグラウンドの社員が生き生きと働き、お互いの強みを持ちよりながらチームとして成果を出していく必要があります。

課題解決に向け、2024年7月には大規模な人事制度改革を行いました。そのひとつが、「担当職」と「業務職」という2つの枠組みの廃止です。担当職はマネージャー候補、業務職はアシスタントという区分が、管理職の多様化を阻んでいると考え、「総合職」に統一しました。また、転勤がライフイベントに与える影響を考慮して、転勤の選択制を導入しました。 

グローバル・タレントマネジメントシステム「Bloom」とは

——こうした課題があるなか、今までのキャリアを振り返って、その解決への糸口になるようなご経験はありますか?

渡辺:2003年にドイツへ出向した際の経験が印象に残っています。当時、私はドイツの農薬製造会社の買収案件に関わり、買収成立後に現地へ出向することになりました。しかしその直後、その会社が大幅な赤字を抱え、従業員をリストラせざるを得なくなったのです。最終的に、全体の20%程度の人員削減が必要となりました。

ただ、リストラだけで会社は立ち直りません。親会社である三井物産と連携しながら、ドイツ人の経営陣や現地社員と再生に向けた施策を検討していきました。コミュニケーションは、互いに母国語ではない英語。それでも会話を交わしていると、相手が「今のままではいけない」「この会社を変えたい」という想いを共有しているかどうか、自然と感じ取れるものです。やがて、方向性を同じくするメンバーがチームとなり、経営を立て直していきました。

スキルや考え方が違う者同士でも、目指すべき大きな方向性については共有できている。そうしたチームが形成されていく過程を肌で感じた出来事でした。この経験は、その後の組織マネジメントでも生かされていると感じます。

——そのほか、渡辺さんが人材戦略において重視されていることはありますか。

渡辺:全世界ベースでの適材適所の実現ですね。グローバル・タレントマネジメントシステム「Bloom」には、社員の人事データに加え、仕事実績やスキル、過去の成功体験、更に失敗体験まで登録されています。グローバル全域でデータが共通化されており、国や地域を越えて、その地域でどのような社員が働いているかを把握できるわけです。

最近では、豪州の関係会社で現地採用された社員が本体の英国拠点に移った際、本店採用同僚のメンターを探すため、Bloomを活用した事例もありました。また、組織としても、特定のスキルや経験をもつ人材を効率的に検索できることは、大きな利点です。新規プロジェクトを立ち上げる際、これまでは人づてに紹介してもらうことも多かったのですが、Bloomによって、より迅速に適材適所な配置を実現できるようになりました。

Bloomはグローバルで段階的に導入が進められ、2024年末に日本への導入が完了したところです。今後は人事データの統計的分析など、さらなる利活用を検討しています。

「食わず嫌い」にならない姿勢で

——三井物産を目指す新卒とキャリア、それぞれの採用希望者に向けてメッセージをお願いします。

渡辺:新卒採用の面接で、私の就職活動でのエピソードをお話しすることがあります。学生時代の先輩がある総合商社に勤めており、会社のことを聞くと「渡辺は、何でも食べられるか?」と問われたのです。そのときは、よく意味が分かりませんでした。でも今なら、「何でも好奇心をもって取り組めるか?」という意味だったのだとわかります。

学生の皆さんは勉強熱心で、入社後にやりたいことがとても明確です。一方で、多様な経験ができるのも総合商社ならでは。「食わず嫌い」にならないよう、好奇心旺盛に挑戦する姿勢を忘れないで欲しいと思います。

これはキャリア採用の方にも通じるでしょう。自身の専門性を最大限発揮するためにも、積極的に新たな領域にも踏み出し、専門性を活用できる幅を拡げてもらえたらと思います。幸い、三井物産はキャリア採用の方も自然に溶け込みやすい環境が整っています。 入社年次を「新卒時の年次」に換算する文化があり、異なるキャリアを歩んだ者同士が「同期」として交流を深めています。


新卒とキャリア、どちらの採用希望者の方にもお伝えしたいのは、「三井物産の仕事は楽しいですよ」ですね。当社のValuesである4つの価値観を体現することは、社内の人材戦略のみならず、社外からの信頼獲得にもつながっています。世界中の方々との信頼関係の中で、互いに切磋琢磨する。これほど楽しいことはありません。自らの枠を広げ、グローバルに活躍していただける方と、ぜひ一緒に仕事ができればと考えています。

三井物産 採用ポータルサイト | MITSUI & CO.RECRUIT

三井物産株式会社 コーポレートウェブサイト

わたなべ・てつ◎三井物産 人事総務第一部長。1988年入社。2015年に機能化学品本部アグリサイエンス事業部長に就任。2019年、米州本部長付兼MITSUI & CO.(U.S.A.),INC.S.V.P.(在New York)。2022年、執行役員ニュートリション・アグリカルチャー本部長を経て、2025年4月より現職。

Promoted by 三井物産/text by 井上マサキ/ photograph by 飯本貴子/ edited by 杉山大祐(ノオト)